ASD傾向のあるお子さんへ、つまづいているであろう読書感想文への提案。感想文ではなく意見文を書いてみては。本の中での事象を紹介、問題提起し、判断を述べる。感想文で言うところの「あらすじ、心に残ったこと、それについてどう思ったか」と似た構成にはなります。
そもそも書き方を授業で習うことがほとんどなく、そのくせ「感想」という曖昧で正解のないものを求められる。原稿用紙と長時間にらめっこして、ようやく本のあらすじを長々と書き、申し訳程度の「おもしろかったです」。これすら本心でもなく。本音を言えば、どうも思いません…。
思い方がわからない私は、真っ白なコピー用紙を見せられて「どう思った?」と聞かれてもどうも思わないくらいに、あらゆることに感情由来の感想を持つ事が苦手で。感想文の度につまづいてた。書けなかった。
ある時、小学5年か6年だったと思う。作文を感想文と意見文から選ぶことができて、意見分面白そう!書きたい!って思った。日頃から親の喫煙が迷惑だった私は煙草の是非を問う内容で、というかほとんど煙草ディスだったんだけど。これまでにないくらい、サラサラと筆が進んだ。
教卓で読み上げた。発表者の意見に同意する人は拍手をするというというシステムで、かなりの人に拍手をもらうことができた。なんだ、私、文章書けるじゃん!しかも私の考えた判断が多くの人に認めてもらえた!作文って、気持ちじゃなくても書けるんだ、書いていいんだとわかった印象的な出来事だった。
そして現在小4の娘が同じ問題に直面している。あらゆる感想文が書けない。とにかく書けない。思わないから書けない。絵日記も苦手。ただただ出来事の羅列。そして今年の夏休みにとうとう「読書感想文」がやってきた。思わないから、活字に触れるのも苦手だというのに…。
結果を言うと、原稿用紙ノルマ2枚、クリアできた。映画で見たこともある美女と野獣。内容は、映画に出てこなかった意地悪な二人の姉についてのみ。ベルと野獣のストーリーには一切触れず。そしてこのタイトル。文章も、本人の意志が感じられる。娘も恐らく、意見文が得意なタイプなんだと思う。
読書感想文的にはベストではないかも知れないけど、ノルマをこなすという意味ではクリアできるかもしれないので、お試しを。